猫に病気の兆候があらわれたとき、最初に気づけるのは飼い主です。そのため、毎日のブラッシングはスキンシップをとおして健康状態を観察するにはうってつけです。腫れやしこり、皮膚に異常はないか、フケは出ていないかなどがチェックできます。合わせて、耳や口もみてあげてください。耳の中が汚れていないか、耳から強い臭いがしないか、口臭がないか、歯茎が赤くなっていないかなど、日ごろからのスキンシップをとおして健康状態をよく観察するようにしましょう。
子猫は、母乳に含まれる抗体によって様々な病気から守られています。抗体は猫の成長とともに減少し、生後3ヶ月頃でなくなります。そのタイミングに合わせワクチンを接種することで、猫に新たな免疫をつけることができます。推奨されているのは、生後6~8週で1度目を接種し、その後は約4週ごとに1歳までに計2~3回の接種をします。それ以降は、年に1回接種するようにしましょう。
一般的に猫にとっての適温は、冬が23~25℃、夏が27~29℃になります。夏は熱中症にかかりやすくなるため、室温の管理には気を遣いましょう。冬はストーブでやけどをしたり、ホットカーペットやこたつで低温やけどをすることも。猫が熱いと感じたときにその場を離れられるようにしてあげてください。乾燥により呼吸器官を痛めることもあるため、加湿をしたり部屋の換気をまめに行うなどしましょう。
猫は色々なものを噛むため、噛んだり誤って飲み込むと危険なものは片づけましょう。電気コードは隠す、ビニール袋は完全に片づける、観葉植物も猫が入る部屋には置かないことが賢明です。
健康診断の頻度は、成猫で年に1度、8歳を過ぎると半年に1度、高齢になると年に3回程度が理想とされます。年齢や状況に応じて回数を増やしていきましょう。加齢により病気のリスクは高まるため、検査項目も必要に応じ追加していく方がよいでしょう。
健康診断には、身体検査(視診、聴診、触診)、血液検査、尿検査、便検査、超音波検査、レントゲン検査、その他特殊な施設で行うことができるCT検査、MRI検査などもあります。
猫は交尾するとかなり高い確率で妊娠するため、可能な限りメスには避妊手術を行う方が望ましいです。一般的には、はじめての発情が来る前が良いとされています。そのため、生後6ヶ月~8ヶ月頃が目安です。避妊手術には予定しない妊娠が回避できるだけでなく、発情期のストレス軽減、病気の予防といったメリットもあります。
オスも生後6~10ヶ月の間に性成熟を迎えるので、なるべくそれまでに去勢手術をするとよいでしょう。手術を行うことで、発情期のストレス緩和、病気の予防、攻撃性の低減、問題行動の減少といったメリットがあります。