動物病院に来院される方のほとんどが異物の誤食です。犬は、少しでも良い匂いがついたものは何でも食べてしまうケースが多く、必要のないものは片づけるようにしましょう。
次に多いのがケガです。フローリングで滑ってケガをしたり、足を痛める犬が多く、マットを敷いておくなどの対策が効果的です。
ドアの隙間やベランダの隙間から外に逃げてしまう犬も少なくありません。2重扉にしたり柵を設置したり簡単に脱走できないように工夫しましょう。
人間の食事は、犬にとって栄養のバランスが良くありません。犬にはドッグフードが最適な食べ物です。成分表示を見ると「総合栄養食」または「一般食」と書かれていますが、「総合栄養食」はそれだけで1日分の栄養素を摂取することができます。「一般食」と書かれているものは、人間の食事でいう「おかず」になるため、メインは「総合栄養食」と書かれているドッグフードにしましょう。
子犬に必要な栄養分は成犬の約2倍になるため、「子犬専用のドッグフード」を与えてください。成長期の段階でカルシウム過多になると骨格の形成異常につながるため、ドッグフード以外のサプリメントなどを与えることは危険です。
子犬の頃は一度で食べられる量も少ないため、1日の食事を3〜4回に分けて与えましょう。成犬には、ドッグフードを1日1~2回に分けて与えてください。また、水はきれいで新鮮なものをいつでも飲めるようにします。
以下のものはいずれも中毒症状を起こし、軽症でヨダレ、腹痛、嘔吐、下痢、血尿、出血などの症状が、重度になると吐血、炎症、潰瘍、運動失調、虚脱などが発現し、酷いときには呼吸困難、痙攣、昏倒、死亡することもあります。
家猫の場合、外の環境は未知の興味ある世界でもあり、危険もいっぱいです。そのため、窓や扉にロックをかける、爪や足をかけられないようにするなど簡単には外へ出れないようにしましょう。 生後2ヶ月未満の子猫は、ケージの中で過ごさせるのが安全です。毛球症や皮膚病予防のためには、グルーミングも欠かせません。小さな頃からスキンシップに慣れさせるため、小さなブラシなどを用意して遊びの中で経験させましょう。また、早い時期から市販の爪とぎも準備してあげてください。 猫は運動を好むため、キャットタワーを用意してあげるのも良いでしょう。ただ、小さい頃にはケガをする危険性もあるので猫の成長に合わせて検討してください。
キャットフードには、犬用と同様に「総合栄養食」、「一般食」の他に、おやつなどの「間食」、「療法食」の4つがあります。総合栄養食は、魚類を主な原材料に、猫の成長段階や年齢に合わせた必要な栄養素がバランスよく配合されています。 猫には食事の回数や時間に決まりはありません。1日あたりの食事の量が適量を超えていなければ何回に分けても大丈夫です。一度にたくさん食べるというより、少しずつ食べて小腹を満たす動物ですので、すぐに傷まないものであればそのままにしておいても良いでしょう。
毛づくろいを日課とする猫には、被毛に付着した有害成分をなめとることによって体調不良に陥る「グルーミング性中毒」の危険があります。人間用の薬、ニコチン、殺虫剤、除草剤、犬用のノミダニ駆除薬、エッセンシャルオイル・アロマオイルなどが該当します。また猫をお風呂に入れるときには、猫用シャンプーを使う、洗髪後の髪の毛を舐めさせないなど注意が必要です。
薬品系や洗剤系はもちろんですが、中毒をおこす植物にも気をつけてください。 アサガオ、オシロイバナ、シクラメン、スイセン、スズラン、チューリップ、パンジー(三色スミレ)、ホオズキには注意してください。どれもうさぎやハムスターといった小さい動物にとって非常に有毒です。アロエ、アジサイ、アセビ、シダ、ショウブ、ツツジ、トチノキ、ヒヤシンス、ベゴニア、ポインセチア、ポトス、ユリなども注意が必要です。